「なんとかなるだろう」でなんとかしてきた

「なんとかなるだろう」で
なんとかしてきた

川島浩司(仮名)KAWASHIMA KOJI

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今回は、営業職に就いたばかり、という川島浩司さんにインタビューをしました。社会人一年目で、「何か違う」と会社員を辞め、フリーターをしながら、「何か」を模索していたという20代。プールの監視や大学のヘルプデスクなどの経験を経て、会社員に戻った川島さんが見つけたもの、大事だと感じるものとは――
※今回は事前にアンケートを取らせていただき、その内容を基にインタビューを実施しました。
インタビュー実施日:2017年5月29日(らしくインタビュアー渡辺)

■直感で「面白くないな、辞めよっかな」って感じで、1年くらいで会社を辞めた

――結構、波乱万丈なキャリアを歩んでいらした、と事前に聞いています。学校を卒業された後、最初の会社は割と早く辞めてしまったんですよね? そこから教えていただけますか?

大学を出て、最初に入社した会社では、採用の支援サービスとかを担当していました。面接の段取りをしたり、合否の連絡の代行をしたりしていました。

――1年くらいで辞めてしまったんですよね。

そうです。面白くなかったんですよね。何が、っていうのは特段なかったんですけど、直感で「面白くないな、辞めよっかな」って感じでした。会社辞めた後は、これといってやりたいことが見つからなくて、プラプラしていました。3年くらいでしょうか、いわゆる「フリーター」って感じで暮らしていました。フィットネスジムで働いたり、プールの監視をしたりしていました。有名なホテルとかでもプールの監視とかしていたんですよ。

――フリーターの後は何をなさったんですか?

1年くらい、ITのソフトウェアの会社に勤めていました。ソフトウェア開発に関わる仕事をしていたんですね。といっても、議事録をとったりと下働きのような感じで。その次に大学に拾ってもらって、大学の関係職員として、パソコンに関するヘルプデスクみたいなところで、学生を束ねて管理する立場で3年ほど働いていました。大学って、教授とかがパソコン操作が分からないとヘルプデスクに連絡が来て、学生が対応に行くんですよ。その学生を管理する立場に就いていました。そういった経歴を3年経て、今の会社にたどり着きました。

■漠然と「何か手に職をつけたい」って思っていた。あとは「なんとかなるだろう」って

――結構、波乱万丈な20代だったんですね(笑)

もともと、自分がサラリーマンになる、っていうイメージがあまりつかなかったんです。漠然と「何か手に職をつけたい」って思っていたんですね。「自分の能力を上げたい」みたいな感じで。でも、結局、「何がやりたい」っていうのは見つからなくて、プラプラしていた感じです。

――社会人一年目で会社を辞めるっていうのは、どういう心境でしたか? 人によっては「収入どうしよう」とか、「世間体を気にする」とか、色々とあると思うんですが、その辺は心配しなくても大丈夫な環境だったんですか?

不安とかそういうのは、なかったんですよ。ご指摘のとおり、恵まれてたし、甘い部分が強かったですね。「なんとかなるだろう」って。

フリーターで、バイトしていた頃は、将来のこととか、結婚のこととか何も考えていなくて、「なんとかなるだろう」っていう感じでしたね。実際、自分ひとりの生活なら、なんとかなっていたんですよ。その後、フリーターから転職した時は、ちょっと大変でしたけど、でも、結局、なんとかなりましたね(笑)

――すごいです(笑) 今の会社にたどり着いた経緯を教えていただけますか?

大学に拾ってもらった時、先ほど話したとおり、ヘルプデスク管理の担当でした。一緒に働いていた学生の皆が成長するのが早くて、それを見ているのが楽しかったんですね。人が育つって、教育に方法論ってあるのかな、って思って、個人的に勉強とかしていたんですけど。「もっと知りたいな」って思ったんです、「人が育つって何だろう」っていうのを。それで、今の会社(人材育成や研修をメイン事業としている会社)にたどりつきました。当時は、いきなり代表の社長と常務取締役の面接が始まって、「じゃぁ、来なよ」って言われて、そのまま入社した感じです。本当に、とんとん拍子で、そんな感じでした。

東京で採用されたんですが、すぐに「九州に行け」と言われて、九州支社で企画開発部っていうテキスト資料を作成する部隊に配属になりました。研修で使うテキストを作成するクリエーターとしてプレイヤーの役割と、同じくテキストを作成するスタッフ社員10名くらいの管理を任されていました。前職で学生を束ねていたからっていう理由で、スタッフを何とかまとめてくれって言われて。

――前職のおかげで、スタッフのマネジメントはすんなりいけました?

どうでしょうかね。いけたんですかね・・・? 周りの人に助けてもらったりして、何とかやってたっていう感じじゃないでしょうか。

3年半、九州で仕事をして、その後、東京に戻りました。東京にある企画開発部で1年くらい、引き続きクリエーターとしてテキストを作る仕事をしていて、その後、公開講座部というオープンセミナーを運営する部署に1年ほどいました。それで少し前に営業部に異動した、というのが経歴です。

■「誰かのために、何かをしてあげよう」っていう気持ちは強い

――仕事をするうえで大切にしていることはありますか?

ビジネスライクはあまり好きじゃないですね。皆が楽しく働ければいいな、そのために何かできることがあればやってあげたいっていう、そういう気持ちは強い方だと思いますね。「誰かのために、何かをしてあげよう」っていう気持ちは強い方です。

――それは仕事を初めてから意識し始めたことですか? それとも、もともとの性格ですか?

もともとの性格だったと思います。うちは母親しかいなかったので、母子家庭だったからっていうのはあったかな、と思いますね。体調もよくなかったので、気を使ってあげないといけないよな、って思っていたので、そういう性格になったのかな、と。親が体調悪かったら、優しくするしかないですよね。ヤンキーになってもしょうがないですよね。一人っ子ですし。そういう背景もあるからなのかは分かりませんが、困っている人を助けるのは、前からだったと思います。

渡辺さん、そういうところ、ありませんか?

――私は、もっとエゴな人間です。楽しくやろうよっていうのは前提ですけど、「困っている人がいるのに、何もしない自分が好きじゃない」って感じです。一緒に働いている人が、なんとなく曇った表情をしているのを見ると、「もしかしたら、帰りの電車の中で、はぁ・・・って一人、悲しい顔をして、ため息をついているのかもしれない。そんなの、嫌だな」って感じで、勝手に妄想しちゃうんです(笑) もしかしたら、その人は、会社出た瞬間に「終わったー、飲むぞー」ってなっているかもしれないのに(笑)

■色々な会社に出向いて、お客さまのストーリーや背景をきくのが楽しい

――営業としての仕事を始めてみて、どうですか?

今の会社で働いている中では、企画開発部と公開講座部という営業部以外の業務や仕事が分かっているので、そこは強みになるかなと思います。特に企画開発部は商品でもあるテキストを作る部なので、今の事業の「裏方」がわかっているのは、営業でこれから活動していく中で、強みになるんじゃないかな、と思っています。

もともと営業をしたくて今の会社に入ったんです。ま、6年くらい遠回りしましたけど(笑) でも、企画開発部で働いている時は、それはそれで楽しくて、「営業やりたい」とかっていうのは忘れていたんですけど、営業という仕事を初めて、今は楽しくやっています。

――営業の楽しみとかこだわりとかはありますか?

企画開発部にいたので、研修について、お客さまに訊かれたら、一通り答えられるということも、やりがいの一つです。でも、お客さまのストーリーというか背景を訊くのが楽しいですね。なんで、この研修を頼んだのかな、どんな思いで働いているのかな、とか。「人」に興味があるかって言われたら、ちょっと違う気がするんですが、「教育」に興味があったので、営業として色々な会社に行って、教育制度とか取り組みとかを知るっていうのは楽しいですね。

――20代の頃に抱いていた「やりたいことを見つけたい」みたいなものは見つかったんですか?

やりたいことであるのは間違いないと思います。だから、見つかったんでしょうね。興味があって、面白くて、それが仕事として成り立っているのは、良かったかなって思います。

■筋トレとストレッチで、余計なことを考えずに、自分をリセットする

――全然、話が変わるんですが、仕事以外では、何をしている時が幸せですか?

難しい質問ですが・・・あ、筋トレですかね。筋トレしている時は、すっきりします。週に一回くらいですけど、一時間くらい、ジムに行って、ダンベル挙げたりとかしています。何も考えなくて、体がリセットされるのが嬉しいですね。単純にダンベル挙げている時って、余計なことを考えたりできないので。筋トレと、ストレッチですね。ストレッチすると、スッキリします。

――私、今、33歳なんですが、30越えると身体にガタ来ますよね(笑)

来ますよね~! 身体が固くなって筋肉が引っ張られてくると、色々と支障が出てくるので・・・腰も痛くなるし。ストレッチはやった方がいいです。ヨガもお勧めですよ。

――ありがとうございます。

■コンプレックスだらけ。そういう自分を認めて、頑張るしかないな、って思っている

――ちなみに事前のアンケートでは、「コンプレックスだらけ」と書いてくださったんですが、そうなんですか?

コンプレックスだらけですね。ほぼほぼコンプレックスです。でも、そういう自分を認めて、頑張るしかないな、って思っています。できない自分がいるから、ちゃんと仕事しなくちゃいけないし、勉強しなくちゃいけないし、って思っています。やれているかどうかは別の話ですけどね(笑) 色々な方にインタビューなさっていて、どうですか? 皆、コンプレックスとかってありませんか?

――「自分は普通なので、それがコンプレックスです」っておっしゃる方は多いですね。私自身は、生まれてこの方、自分が普通だって思ったことがないので、「よくわからないな」っていう感じなんですけど(笑) 普通がコンプレックスって、気持ち、分かりますか?

それは私もわかりますよ。「普通じゃなくありたい」っていう欲はあります。もしかしたら、トレーニングもそうかもしれません。「人よりも強くありたい」という気持ちがあるから、筋トレするのかもしれませんね。別に格闘技で闘ったりするわけではないんですけど、「人よりも力を持っていたい」とかっていうのはあります。

中学の頃、太っていたんですよ。でも、たまたま食中毒でやせたんです(笑) それで、その体を維持したくて、筋トレ始めたって感じです。帰宅部で、自主的に筋トレを始めたんです。それからずっと続いています。歯磨きみたいなもんですね。やらないと気持ちが悪い。筋トレは週一ペースですが、ストレッチは今でも毎日やっています。すみません、筋トレとかストレッチとかの話ばかりで。

■営業になった当初は「売ろう」っていう気持ちがあったけど、ちょっと違うかな、って

――これからどういう風になりたいですか?

営業になったので、お客さまに「川島さん、お願いします」って言われるようになりたいって、強く強く思いますね。営業になった当初は「売ろう」っていう気持ちがあったんですけど、ちょっと違うかな、って。そうじゃなくて、お客さんの本当の悩みを聴かないといけないなって。長期的にお客さまと関係性が続かないと意味がないなって。一発撃ったら終わり、になってしまうのは、ちょっと違うかなって思うんです。

そうやってお客さんに親身になって対応していく営業になれば、きっと数字はついてくるだろうなって思ったんですね。

――どうして、そういう風に思ったんですか?

自分がお客さんだったら、っていうのを考えたんですよね。売り込まれても、なんだかな~って思ったんですよね。ビジネスライクみたいに付き合ってくる営業とは付き合いは長続きしないんじゃないかと。

例えば「システム」みたいに企業として導入が絶対的に必要なもの、ニーズが分かりやすくて、ソリューションも分かりやすい商品だったら別かもしれませんけど、私が扱っている「研修」って、正直な話、商品としてイメージしてもらうことが難しいんです。無形サービスっていうのもあって。だから、買う立場から選ばれるためには、「この人から買いたい」っていうのが大きいんじゃないかなって思ったんですね。決定打になるというか。企業の担当者が、「研修やらなきゃ」って思った時に、顔を思い浮かべてもらって、「川島さん、ちょっと相談したいんですけど」って言われる存在を目指したいと思いますね。

■人と人との関係が大事だなって、最近分かってきた

――仕事するうえでは、営業活動を含めて、人間関係を大事にする方ですか?

大事だなって最近、思いますね。気遣いとか、思いやりとか、大事だなって。最近、そういうのが大切なんだろうなって分かってきましたね。人と人との関係が大事だな、って。

営業をやっている人って「これを売らなきゃ」「ノルマを達成しなきゃ」っていうのが多いと思うんですけど、それは大事なんですけど、自分はそれじゃきつくなっちゃうかな、営業として続かないんじゃないかな、って思ったんですよね。

勿論、会社としては数字を上げなければいけないので、その中で、自分なりの考えを試しています。

――ちなみに、今は部下はいるんですか?

営業になったばかりなんですけど、新卒の新人を1人、見ています。一緒に同行したりして、徐々に仕事を覚えてくれればいいなって思っています。

急がないことが大事だと思いますね。この仕事は、時間かかると思うんですよ。だから、楽しくなるようなところを補佐できるといいのかなと思って見ています。気持ちの面は頑張って、勉強するべきところは勉強して、ちゃんとやるべきところはちゃんとやって、っていうことを教えているつもりです。

■何か自分が面白いと思えるものを見つけたいな、見つけなきゃいけないなって焦っていた

――35歳ですが、今後の展開は何か考えとかプランとかはあるんですか?

ないですね(笑)

――今も、「なんとかなるだろう」って思っていますか?(笑)

「なんとかなるだろう」っていうのは、今でもありますけど、さすがに10年前と同じ「なんとかなるだろう」っていうのはないですよ(笑) ただ、今、やっていることを日々ちゃんとやっていれば、結果はついてくるだろう、成長していけるだろう、って思っています。当時は何も考えていない「なんとかなるだろう」でしたから。そこは大きな違いますよね(笑)

――「なんとかなるだろう」じゃなくて、「なんとかする」ですよね。

そうですね。10年前の当時を振り返ると、「なんとかなるだろう」とは思いつつ、「なんとかしなければ」っていう気持ちはありました。何か自分が面白いと思えるものを見つけたいな、見つけなきゃいけないなって。焦りも少しありました。やりたいことについて何かが勝手に見つかる人もいると思うんですけど、僕は見つからなかったので、「見つけよう」って思って何でもいいから行動を試していたのは、今振り返るとよかったですね。

■憧れで仕事を探しちゃだめ

もともと、ITの業界に進みたかったんです。最初の会社で、システムを担当している人がいたんですけど、その人が「手に職がある」って感じがして、カッコいいなって思っていたんです。だから、フリーターやりながら、プールの監視の仕事をしながらも、自分なりにITの勉強をしていたんですよ。

でも、前職で、ヘルプデスクの仕事に就いた時に、自分はITの人間ではない、と、ITの頭ではない、って分かったんです。システムの設計とかプログラミングとか勉強してみたんですけど、全然面白くなくて。ヘルプデスクの内容じゃなくて、学生が成長していく姿を見る方がはるかに楽しくて、「自分って教育とか育成とかっていうのが好きなんだろうな」っていうのが分かりました。それで今の会社にたどり着いたんですよね。こっちだったんだなって思います。

今、考えてみると、ITは憧れだったんでしょうね。憧れで仕事を探しちゃだめなんでしょうね。

■フリーター時代、やっぱりどこかで「サラリーマンに戻りたいな」って思っていた

ちょっと話していて改めて思い返したんですけど、こうして「働く」ことができるってあり難いなって思うんです。当時、日雇いで、野外にテント貼る仕事もしていたんですけど。その時、スーツを着て働く人たちを見て、通勤中のサラリーマンを横目で見て、「かっこいいなー」、「それに比べて、自分何してるんだろうなー」って思ったんですよね。だから、会社員生活に戻った時は「戻れた」っていう喜びがありました。やっぱりどこかで「サラリーマンに戻りたいな」って思っていたんでしょうね。

――実は、私も一度、フリーターというか、会社員から離れて、個人で仕事をしていた時期があるんですけど、また会社員に戻った時って、結構きつかったんです。川島さんはどうでしたか?

今の会社に入ってすぐは結構きつかった。きつかったです。うちの会社はきっちりしているんです。時間厳守だし、報告もちゃんとしなきゃいけないし。それこそ、その前の仕事で、大学で働いている時は、相当に緩かったので、最初は苦痛でした。さすがに慣れましたけどね。

でも、今でも、根底では「色々な規則やルールがあって大変だな」「ホウ・レン・ソウなんて、そこまできちんとしすぎなくても伝わるんじゃないのかな」「ちゃんとやるから、放っておいてくれてもいいのにな」「もう、言われなくても、やるってばー(笑)」って思っちゃう部分は変わっていないと思います。きっと適合しているだけなんでしょうね。「会社はちゃんとする場所だ」って思って、自分に言い聞かせて、求められている役割を演じているだけだと思います。別に苦痛ではなくて、「そんなもんだ」って思っています。

渡辺さんは、その辺、どうですか?

――私は・・・素のままですね(笑) 言い聞かせているうちに、自分も考え方や仕事の仕方が変わっちゃっているか、あるいは変えられなくて、周囲に「おかしくない?」って声を挙げてしまうか、どちらか、です(笑)

あー(笑)

――最後になりますが、お子さんが生まれたって聞きました。おめでとうございます。父親としての生活は、いかがですか? 営業としての仕事も始まって、忙しくて会えていないですか?

いや、そんなこともないですよ。土日はべったりですね。平日は妻に任せきりなんですけど、せめてと思って毎日、朝と夜は、オープンとクローズをやっています。「オープン」っていうのは、朝、泣いて起きたらミルクあげることで、「クローズ」っていうのが、寝かしつけることなんですけど(笑)

子どもの成長は、見ていて楽しいですよ。少しづつ話すようになったり、髪が増えてきたりとか。面白いですよね。でもまぁ、単純に、可愛いです(笑) 産んでくれた妻に感謝ですね。

――素敵ですね。そう明言できる川島さん、素敵です。今日はお忙しい中、色々と貴重なお話を、ありがとうございました! これから営業のお仕事、頑張ってください。

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