勝負スタイルは、7cm以上のヒールとスカート!

勝負スタイルは、
7cm以上のヒールとスカート!

音羽紗依(仮名)OTOWA SAE

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今回は東京で営業として活躍する音羽さんにインタビューを実施しました。新卒で入社して4か月で名古屋に転勤になり、初めての一人暮らしを経験しながら社会人としてのスタートを切った音羽さん。「女の子として見られてラッキーだった」と語る彼女は、冷静に「成果を出さないと、自分の希望を通してもらえることはない」と環境を分析し、自分の武器は何か、営業スタイルはどうあるべきかを考え、キャリア戦略を練っていたと言います。憧れていた「東京をハイヒールで格好良く営業するお姉さん」になった今、彼女が考える仕事とは――
プライベートの過ごし方、後輩の新卒に期待することなどもお伺いしました。
インタビュー実施日:2017年7月 4日(らしくインタビュアー渡辺)

■今の仕事は、「ソリューション営業」

――まずは今の仕事と、会社での立ち位置を教えてください。

営業として千代田区内の民間企業に出向いて、人材育成のお手伝いをしています。主に研修を売っているのですが、それをどんなものにするのか一緒に考えていくのがお仕事です。

(※)音羽さんが働く会社は、社会人教育として企業研究のサービスを展開しています。企業の人事に研修サービスを企画提案し、受注が決まると、研修講師を派遣して、クライアント企業で働く従業員の皆さまに研修やトレーニングを実施しているそうです。

――お仕事の内容からすると、ソリューション営業やコンサルなどいろいろな言い方ができると思いますが、どんな言葉がぴったりきますか?

形のあるモノを売っているわけではないので、お客様の話を聞いて、いかようにでもできてしまうことを考えると、「ソリューション営業」がしっくりきます。制度なども含めて大規模にやりたいとなるとコンサルの域かなと思いますが、教育の中の研修だけだったらソリューション営業かなと思っています。

――東京都の千代田区を担当してどれくらいですか?

2年ぐらいです。

――2年前までは?

名古屋支社にいました。3年半ほど名古屋で営業の仕事をしていました。お客様は民間企業や官公庁。県やエリアごとに営業担当者がついていて、私は岐阜県全てと愛知県の半分を任されていました。

――その頃もソリューション営業だったのですか?

当時は、今よりも、モノ売りに近い感じだったかもしれないです。特に官公庁の場合は、「この研修がやりたい」と決まってから連絡が来るので、売るモノは大体決まっています。こちらはそこに、プラスアルファで上乗せできるかどうか。

課題解決というよりは、お客様のご要望、「これが欲しい」というものに対して、どれだけスピーディーに出せるかというところを意識していたと思います。

■営業じゃなかったら辞めますって社長に言いました(笑)

――素朴な疑問なんですが、学生の頃から営業になりたいなと思っていましたか?

思っていました! 営業じゃなかったら辞めますって社長に言いました(笑)。

――採用された時には、まだ職種は決まっていなかったんですよね?

はい。内定をもらったのは2011年の9月で、2012年4月に新卒採用で入社しました。配属先の発表は入社前の2月だったのですが、いろいろと話をしていくうちに、「あ、きっと私は営業が一番向いている。営業がいいなあ」と思って。ベンチャー企業で当時はまだ社員80人程度の規模だったので、社長から「何がいい? どこがいい?」みたいなことを直接聞かれるわけです。「営業じゃないとやりません」ということを、そのときから言っていました。

――なぜ営業がいいと思ったんでしょうか?

私の性格と特性を考えると、「いろんなお客様のところへ行って可愛がってもらうにはどうしたらいいか」という戦略を立てられそうだな、と。あとは、いろんな人の話を聞くのが面白いと思ってこの業界の会社を選んだので、それなら直接話がしたい。それができるのって営業しかないよねって。それで営業がいい、と。

――「怖い」と感じるようなことは?

まったくなかったです。「行ってきて」って言われたら「はーい」って。

初めて一人でお客様を訪問したのは、入社した翌月の5月末ぐらいでした。その頃にはもう、テレアポもたくさんかけていて。最初の訪問のことはよく覚えています。私がアポを取って、OJT担当の先輩と一緒にお客様先に行くはずだったんですが、先輩が急にロビーで「音羽さん一人で行けるよね? 行ってらっしゃい!」って言いだして。私、まだ、ピカピカの一年生なのに(笑)。

――急に「行ってらっしゃい」と言われた、と(笑) すんなり「行ってきまーす」となったんですか?

「えっ?」っていう話にはなりますよね。驚きつつも「でも、行けって言われたから、まあいっか」と思って(笑)。「はーい、じゃ行ってきます。おしゃべりしてきまーす」って言って、訪問を果たした記憶があります。

■「辞令ってこんなにさらっと言われるんだ」って驚きました

――そうやって営業としてスタートしたわけですが、それから転換期はありましたか?

転換期は1年目に3回ありましたね。入社してから4か月間は東京で営業をやっていたんです。初受注は6月で、民間企業からでした。おそらく今もお取引が続いているお客様です。純粋に私が好きな会社だったので、電話をして訪問させてもらったら、「あ、じゃあいいよ」って、提案書を2~3回やりとりして、受注できた案件でした。研修は10月に実施なので、それに向けて頑張ろう!と思った矢先、8月に名古屋への異動が決まったんです。

6月に受注したのに、その1週間後ぐらいに名古屋異動の辞令が出て、「あれ?」みたいな感じでした。これが1回目の転換期というか・・・「辞令ってこんなにさらっと言われるんだ」と。

次の転換期はやっぱり名古屋に行ったこと。これは大きかったかなあと思いますね。

――どんな影響があったんですか?

異動した時の名古屋支社は、私を含めて3人しかいませんでした。1年目の私も、戦力の一人としてカウントされていて。先輩が異動するので、その先輩の抱えている案件を全部・・・確か120顧客ぐらい、一気に引き継ぎました。まだ案件を回したこともないのに(笑)。

――6月に初受注とったばかりで、ねえ(笑)。

そうそう、まだ何もしたことがない。提案書と社内のシステムツールがようやく使えるようになってきたぐらいのペーペーの新人に、120のお客様が舞い込んできたわけです。決まっている案件もあれば、提案をしている段階のものもあるし、これから提案するものもあるし。そこで、いかに効率よく、言葉はよくないですが、「さばくか」、ということを考えさせられました。それが1年目の9月から10月ぐらいです。

――東京ではせっかく初受注したお客様の実施がある時期に。

「ひゃー!」って言いながら(笑)。でも先輩方に手渡した東京の仕事で、「案件取ったよ」って連絡もらったりすると、「ああ、じゃあもう少し頑張ったら、自分でとってきた案件も増えるかなあ」と思ったんです。それが3回目の転換期で、1年目から2年目にかけてはこう考えながらやっていましたね。

■もがき苦しみながら、鍛えられた

――その後は順調に仕事をしていったんですか?

順調・・・、はたから見たら順調なんでしょうね(笑)。

――成績も上がって、お客様もついて、いわゆる案件も回していって。

そうですね。

――はたから見たら、とおっしゃっていましたが、ご自身の中では何が起こっていたんですか?

名古屋って、日本を代表するグループ企業のお客様が非常に多くて、皆さんとてもシビアなんですよね。今、私が担当している千代田区とよく似ていると思うんですが。最初は単なるモノ売りとして営業が成り立っていたのですが、2年目の後半ぐらいになると、それではもう太刀打ちできない状況が、ぱらぱら見え始めたんです。

モノ売りよりも、だんだんソリューションの方が多くなってきているのに、そういうのを教えてもらえる人が身近にはいなくて・・・。すごくもがき苦しんでいたのを覚えていますね(笑)。

――苦しんでいたのは、身近に教えてくれる余力のある人がいなかったから?

やっぱりそれが要因ですね。「助けて」って言っても、すぐにその場で助けてもらえることは少なかったんです。

名古屋支社は私が2年目の頃に4人になり、その後5人ぐらいまでは増えましたが、全員がそれぞれに県とエリアを担当として抱えている状況なので、オフィスには日中は誰もいません。みんな遠くに行っているし、先輩方は出張も多かった。誰かにすぐ判断をしてもらおうと思っても、次の日まで待つことになって、その間仕事が止まっちゃうこともありました。

――そんな状況に、音羽さんはどんな対応をしたんでしょうか。

できる限り無駄な時間ができないように、先輩への質問事項はざっとまとめてメールで連絡したり、誰か他に判断を仰げる人を見つけて教えてもらったりしていました。

あとは、自分で名古屋から東京本社の偉い方々に電話をかけ、「助けてほしいんです」と交渉して、提案書を作っていただいたり、仕事のやり方を教えてもらったりしました。そうやって自分から聞かないと難しい状況でしたね。鍛えられました。

■世の中には、変えられるものと、変えられないものがある

――プライベートな面では、東京から名古屋への転勤に不安はなかった?

実家を出て、初めての一人暮らしが名古屋だったんです。不安でしたが、「まあ、やるしかないな」と思って(笑)。

――そういう割り切りができるところは元々の性格? スパッと決めるみたいな性格は。

そうかもしれないですね。世の中には、変えられるものと、変えられないものがある。そう思っていました。

――深い!

(笑)。もし私が頑張って変えられるものであれば、もう全力を尽くして変えに行くんですけどね。異動はもう発表されちゃったし、頑張っても変えられない。その場合は「じゃあしょうがないかな」って受け入れる。

ただし、そこで「しょうがないかな」だけで終わらせたくはなかった。私の希望が通るように、成果を出そうと思ったんです。私を異動させると決断された上の方々が求めている成果を出して、一刻も早く東京に戻してもらおうということしか考えていませんでした。

――名古屋にいた時は東京に戻りたかった?

戻りたかった! 社長が名古屋にお越しになるたびに、「早く戻してください」と言っていました。

プライベートな面で、「やっぱり実家が一番いいなあ」と思ったのと、東京に友人が多かったことが理由ですね。名古屋で友人はできにくかったので。

仕事の面では、私が入社した頃は女性営業がとても多かったんですが、東京で女性営業のお姉様方がバリバリやっているのを見て「もう、なんて素敵なの!」と思っていたので(笑)。「あのお姉さんたちみたいになりたいな」と思う先輩が東京にはいっぱいいたんですよ。

――そういうことか! 憧れもあったわけですね。

あとは、東京には本社があるので助けてくれる人もいっぱいいるし(笑)。

■社長はとても近い存在で、「社長、今いいですかー?」って気軽にいけちゃう感じでした(笑)

――社長には、内定者の頃から直接希望を伝えていますよね? 音羽さんにとって、社長は近い存在ですか?

私にとっては、すごく近かったです。

――音羽さんは、この会社の新卒採用2期生と伺っています。近く感じるのはそのせいもある?

そうですね。でもこれを同期に言ったら「いや、そんなことはないんじゃない?」って言われるかも(笑)。

――同期の中では私だけ、みたいな?

そうかもしれません、同期の半分ぐらいは同意してくれるんじゃないかな。あとは、入社して最初の3か月、東京本社にいたのも大きかったと思っています。
社長は内定者の時から気にかけてくださっていて、直々にお仕事をいただくことも結構ありました。だから必然的に社長と話す回数がとても多かったんですね。それもあって、「社長、今いいですかー?」って気軽にいけちゃう感じでした(笑)。

――相談するのも躊躇なくできると。

躊躇なく。社長から意見を求められたら自分の考えを率直に話すことも、自然とできてしまう。

■立場や年齢が上の方と話すことに緊張することはありません

――社内外含めて、偉い人と話すことにあまりためらいがなさそうですが、何かきっかけがあった?

大学の4年間、ホテルの披露宴会場でアルバイトしていたのが大きかったかな・・・。
基本的にお客様は全員年上なんですよね。有名なホテルなので、VIPのお客様方の対応や接客をする機会があったんですが、とまどっていてもいいパフォーマンスができないから、自然に話しかけるようにすることは意識していたと思います。それで抵抗がなくなったかな、と(笑)

大学生の頃から、社会人の方々にいっぱい会いに行っていたので、今でも、立場や年齢が上の方と話すことに緊張することはありません。

――昔から年上と接する方が楽ですか?

楽です。昔からそう。

――年下はどうしていいかわからない?

そんなこともないですが、楽で、何も考えずにいけるのは年上ですね。

――でも、もう6年目ともなると、どんどん新卒の後輩が増えてきますよね。年下の人に対して、音羽さんが何か心がけていることはありますか?

私が入社した時と今の新卒の子、私の後輩の子たちでは状況が違いすぎるんですよね。私の同期は6人でしたが、今の後輩たちは同期が30人ぐらいいます。これまで自分がしてもらったように指導を先にすることはせず、まず相手の話を聞くようにはしています。後輩の意見と行動した理由など、事実を聞いた上で、私なりにアドバイスしたり、自分の意見を伝えたりするようには気を付けています。

■営業チームのリーダーとして思うこと

――今、組織での立場はどういったものですか?

営業のチームを持っているリーダーです。マネジメントはしていません。

――営業として、リーダーとプレイヤーであることに、何か違いはありますか?

私ができることを、必ずしも全員ができるわけではないということですね。メンバーの特性は一人ひとり全然違うので、それを見極めた上で指導することがまず前提です。
ただ、メンバーが自分の特性、何が強みなのかということに気づいていないことも多くて、やりたいことと特性がかけ離れているケースもあります。
また、当社に入ってくる人たちは、役割さえきちんと明示ができていれば動いてくれる人が多い。だからチームができたとき、なるべく最初に「私はこういう役割、あなたはこういう役割、チームとしてはこうしていきたいと私は思っている。あなたはどう?」って、すり合わせをします。その次に、どんな行動をしたらいいのか、課題はどこなのか、一人で訪問に行ってどうするのか、そういう具体的な部分を掘り下げていくことを意識していますね。

リーダーになると、プレイヤーとして一人で仕事をするよりも影響が大きくなるし、思い通りにいかないことが増えますね(笑)。

――世の中の管理職は、みんなそうやって悩んでますからね(笑)。

そこを上手くコントロールというか・・・、いかに互いに信用できるかですよね。お互い良好な関係を築くために、「私はこういう考えなんだよ」って、自己開示は先にします。営業先のお客様にも同じことが言えますね。

――音羽さんが意識して自己開示するようになったのはいつ頃からですか? 昔から自己開示はする方だった?

自己開示はしますね。こうしたい、ああしたいっていうのは。

――そうか。そうじゃないと社長に「営業じゃないといや」なんて言えませんよね(笑)

確かに(笑)。それも自己開示です。

■お互いに負荷がかからないようにしたい

――ほかに自分の特性、自分らしさはどんなところだと思いますか?

こう見えて結構慎重です。戦略とまではいかないんですが、計画は緻密に立てていくんですよ。

例えば、「○日までに受注書を確定させるためには、○日ぐらいまでにはこれが全部揃っていなきゃいけないから、○日までにこれを提出しよう」とか。「でも、このお客様はわりと遅れがちな傾向があるから、締め切り日を通常より1週間前にしよう。それなら、このぐらいの時期に依頼をしなきゃいけないし、こういう依頼の仕方じゃないと、この人はやってくれないだろうな」というように。

そうやって全部管理してスケジュールを立てていくので、大幅に受注が遅れるようなことはないですね。

――仕事はスケジュールをきちんと決めて、計画通りに進めるのが得意なんですね。思いつきでは動かない?

思いつくことは結構たくさんあるので、思いつきで動きながら、ものすごく考えます。営業という仕事柄なのか調整事がすごく多いので、人に渡さなきゃいけないボールを持ったまま、待っていなきゃいけない状況がよくあるんですね。だからその間に、次の一手は何にするか考えています。

ボールが返ってくるまでの時間も人によってそれぞれなので、なるべくこちらから期日を明確にします。それでも返ってこない場合は、「この人はわりと遅れがち」という情報が、私のデータに蓄積される、と(笑)。

――統計学みたい(笑)。次には先手が打てると。

次、同じ状況になったら、依頼をちょっと早めにしなきゃ、とか。出張が多くて全然つかまらない担当者であれば、「これが必要です」っていう情報を先に送ってしまって、まとめて対応していただけるようにするとか。なるべくお互いに負荷がかからないようにするために、どうしたらいいかなっていうのは結構考えています。

――できる人って感じ(笑)!

(笑)。いやなんですよ、なんか。

――なかなか思うように進まないのが?

それで、結局やりたいこととか、やらなきゃいけないことができなくなる。そこに時間をかけることが営業の仕事ではないと思っているので。営業は、売り上げをきちんと上げるために動く。売り上げを安定的に上げるためには、事務の部分は特に素早く終わらせるべきだと思っているので、そこで手戻りとかを起こしたくない。

――それはどこで学んだの?

名古屋・・・かな? 数多くさばかなきゃいけないお客様を抱えていた時に、いかにスピーディーに物事を進めていけるかが大事でした。特に官公庁との取引の場合だと、書類がたくさんあるんですよ。請求書とは別に、書類を2つ3つ出さなきゃいけないとか。押印の申請とか、日付とか、やり方やルールにいろいろな決まりごとがある。最初の頃は、お客様に送ったんだけど、そういったところが守れていなくて、書類が戻ってきちゃって、もう一回、社内稟議から上げ直しということもありました。

私も、チェックをする先輩も、本社の人たちも、お客様の社内も、すべての工程で手間がかかる、って考えたら、やっぱり手戻りはない方がいい(笑)。

――賢い(笑)。なるほど、それが2年目あたりの気づき?

2年目の気づきかもしれないです。なるべく手堅くやる方がいい。それが自分の慎重さにつながったのかもしれないですね。

でも、一方で、万が一何かトラブルが起こっても対応する力はあるので、そこは自分の中でも強みになっていると思いますね。

■女友達との恋愛トークはもっぱら聞き役で、「こんな時、どうする?」って聞かれます

――仕事を離れたプライベートでは、どうですか? 何をしている時が一番楽しい?

友達と遊びに行くとか、好きなことをやっている時は楽しいですね。友達と会って何をしているかな・・・、ずっと話しているかも。

――へえ! どんな話を? 内容まで踏み込んでも大丈夫ですか(笑)?

(笑)。最近だと仕事の話かな。周りの友達は二極化されてきて、結婚して仕事はほどほどっていう子たちと、結婚はせずにフリーランスになって、仕事バリバリやるって決めた子たちと。この年齢だからか、わりとはっきり二つに分かれているなあと思っています。

その子たちと仕事について「もっとこうだったらいいよね」とか、「面白い情報入ったよ」とか、「最近この業界ではこういうのが流行りらしいよ」とか話しています。あとは、面白かった本の話とか、映画の話とか。恋愛の話は聞く方が多いので。

――恋愛の話はしない? 自分からは。

あまりしないですね。

――みんなが相談してくる感じ?

「こんな時、どうする?」って聞かれます(笑)。

――ケーススタディだ(笑)!

(笑)。「こんな時どうする?」「この場合って何があると思う?」って。ケーススタディに近いのかな? みんなで、こうじゃない?ああじゃない?って話しているのが面白いのかも。

――男性から見ると、「女の人たちって、何をあんなにずっと喋っているんだろう?」って思うことが多いかもしれないけれど、そういう話をしているのかな?

そういう話をしている(笑)。「聞いてよ! こないだこんなことがあって、彼氏にこんなふうに言われたの、どういう心境だと思う?」みたいな。それに対しては「それって前後どういう感じ? それ次第だけど!」とか聞いたりして(笑)。

――女性は分析しているのかな、男性のパターンを。

分析しているとは思いますね。あとは、「あの言葉、ああいうふうに言っちゃったけど大丈夫だったかな」とか、そのあとに素っ気ない返事が来ちゃったなら、「じゃあ、何が正解だったの?」みたいな話とかね。人によって考えることが違うから面白い。

――女子会ってそうやって盛り上がるんですね。

(笑)。

■ネイルはもうちょっとして、何も言われないような立場になったらできるかなって思っています

――その他に楽しい時は?

友達と話したり、一人で本屋さんに行ったりするのが楽しいです。

――本が好き?

本、好きですよ。小説とか旅行ブックとか、面白いです。本を読むようには見えないでしょう? テレビっ子だからテレビもすごく見ます。ドラマも見るし、映画も見ます。

――エステに行ったり、ヘアサロンやネイルサロンに通ったり、ジュエリーショップをのぞいたり、とかは?

ああ、それもしますね。でも、うちの会社はネイルできないしなあ。

――変えられるものと変えられないもの、ですね。

それは変えられないから。変えられないのに、ネイルにお金かけるわけにはいかないし。

――ドライですよね。ネイルより仕事の方に、プライオリティが高いってことだとは思うんだけど、「絶対こうしたい」と思ったら言う人ですよね?

でも、変な話、ネイルはもうちょっとして、何も言われないような立場になったらできるかなって思っていますね。

■「これがしたい」とか特にない。みんなが楽しく働ければいいかな

――何も言われない立場、ということで、また仕事の話に戻りますが、音羽さんはこれからどうなりたいですか?

どうなりたいんだろう・・・。

――何も言われない立場ってことは、昇りつめていくような感じがするので(笑)。営業本部長になるとか、どんなキャリアを考えているのでしょう?

キャリアについては、大学生のときも社会人になってからも、結構あやふやなままで。どうなりたいかって結構難しいです。「これがしたい」とか特にないので。みんなが楽しく働ければいいかな。

――なんでそんなに冷めてるの(笑)?

(笑)。「これが特別したい」とかはないかも。ただ、仕事を通じて普段プライベートでは会えない人たちに会いたい、っていうのはずっと思っていることかもしれません。だから「営業じゃなきゃいやだ」って言ったのも、そこですね。

――普段会えない人というのは、業界的に?

業界とか、年次とか、役職とか。プライベートだったら、意識しなければ同世代と会うことが多くなってしまうのが嫌で。だから、もちろん自分のプライベートでも、年次を問わずいろんな人に会いに行くんですが、やっぱりBtoBで会社同士でないと会えない人もいる。「いろんな人にも会いに行きたい」というのは、就活の時からブレていないことだと思います。

――そうやって実際に営業になって、いろんなお客様先に行っていますよね。憧れていた東京での営業をやっている中で、一番うれしかったエピソードや、「こういう瞬間のために仕事をしているんだ」と思った出来事はありますか?

嬉しいのは、みなさんに「今回の研修、良かったね」って言ってもらえることです。

最初は、名古屋で。3年かけてずっと追い続けたお客様から、「ここまで粘り強くやってくれたから案件あげるよ」って言われたんです。それが女性の方だったので、可愛い提案書を作って持っていったら、第一声で「あ、可愛いー!」って。そこからプレゼンもしやすい空気にもなって、「そうそう!こういうのを求めていた」って言ってもらえました。担当者とも上手くマッチングが取れて、研修自体もすごくうまくいって、講師にも申し送りなどいろいろなことをして、関係者全員が「今回の研修、良かったね」って言ってくれたんです。これがたぶん、一番自信を持って東京に帰ってこられた理由。ちなみに、このお客様も今もまだお取引が続いているお客様です。

それと同じようなことは、東京でもありました。「やっぱり音羽さんに相談してよかったな」とか、「音羽さんに聞いたら、どうにかしてくれるんじゃないかなと思ってちょっと相談してみた」とか、”インソースさん”じゃなく、”音羽さん”って言ってもらった時は、嬉しいかな。

その言葉を引き出すために、今までいろんなことに配慮はしてきているつもりです。そして、受講者のみなさんに「今回の研修、良かったね」って言って帰ってもらうことが一番嬉しいですね。

――真面目ですね、とっても。

面白いのかも、それが。自分が思い描いていた通りにできた時が、面白いのかな。行きたかった目的地へ最短の道ができたっていうのは、ゲームをクリアしている感覚なのかもしれない。

――仕事=ゲームっていう感覚はある? どう攻略するか、みたいな。

あります。この担当者の場合はこういうパターンかな、とか考えて営業に行って、それを切り崩せた時に、「おっ、来た!」「これは私の勝ちパターンだ」となった時は、ちょっと楽しい。なんとなく相手の言わんとすることが、わかるんじゃないかな。

――阿吽の呼吸みたいなものは確かにありますよね。

それを、いろんな人とできることが楽しいのかもしれないですね。

■営業として会ってくれる確率は、男性の先輩より「女の子」である私の方が圧倒的に高かった

――さきほど、女性向けに提案書を可愛く作ったというエピソードがありましたよね。音羽さんは会社がまだベンチャーだった時代の新卒入社組で、”女の子”として見られることも多かったと思いますが、そこは自分の中でどう意識していたんでしょうか?

ラッキーだなって。使える武器がいっぱいあると。

例えば、1年目の時って、”1年目”という免罪符があるから、何しても怒られない。変な話、怒られるけど本当の意味では怒られない。お客様の目が甘くなる時でもある。
女性であることは、それと同じような感覚でしたね。特に名古屋では。まだまだ男性社会だったんですよ、すごく閉鎖的で。「何? 女の子が来ているの?」みたいな感じだったので、「『女の子』だって、ラッキー!」と思いました。営業として会ってくれる確率は、男性の先輩より私の方が圧倒的に高いんですよ。

――「女が来たから話なんか聞かねえぞ」、じゃなくて「女の子が何しに来たの?」って感じ?

興味本位で会ってくれる感じです。営業先の工場などに、私は必ずヒールを履いて、スカートのスーツで行くんです。すると、「重たい荷物を持って、ヒールで、こんな暑い中どうしたの?」みたいな(笑)、そういう目で見てくれるから、会ってくれやすいんですよ。だから「ラッキー!これをうまく使おう」って思いながら仕事をしていました。最初の1~2年目は”キャラ売り”だけで、どうにか成果を上げてきたと思っています。

■7cm以上のヒールとスカートは私にとって戦闘服みたいなもの

――世の中ではだいぶ女性活躍が叫ばれていますが、変わってきていると思いますか? あるいは、年次が上がることで、自分の中でのブランディングやプロデュースが変わりましたか?

やっぱりそこが、すごく難しいところでもあります。女の子だから許されることもあれば、「女の子だからここはできるよね」って思われているハードルが、男性とはまだ違うなと思っていて。

――女の子だからできるというのは、気配りとか?

そうです。気配りとか、資料の差し出し方とか、マナーとか。当社が取り扱っている商品は、女性と相性のいいものが多いので、「ここまではできるよね」と思われているハードルは、3~4年目ぐらいまでは男性よりちょっと高いかな、と。でも、年齢が上がると男性と女性でそこまで大きく変わることはないかなと思っています。そうだとしても、男性ができないことはまだたくさんあると思うんです。

――さっき出てきた、スカートとヒールっていうのは、音羽さんのこだわり?

こだわり。ちゃんと、スイッチが入るんだと思います。メイクと一緒で、オンオフのモードをきちんと切り替えたり、「よし仕事」っていう気合を入れたりするためには、やっぱりヒールとスカートは私にとって戦闘服みたいなもの(笑)。

――プライベートでは?

デニムも履きますよ。足元はヒールが多いかも。でも、仕事の時にパンツスーツは着ません。どんなに重い荷物を持っても絶対ヒール。7センチ以上のヒールを履くことは、入社1年目の時から変えていません。

――7センチ以上というのも、こだわり?

そう(笑)。だってスーツを着て、一番きれいに見えるシルエットは、絶対ペタンコ靴では出せないと思っているから。

――自分を鏡に映して研究した?

街行く人たちを見るのが好きなんです。そういうときに、きれいに歩いている人や、パッと目が行く人の足元はやっぱりヒールで、しかもシルエットがきれい。だから、パッと見て「おっ」と思ってもらうためには、そこなのかなって。

■お客様に「若いのにやるね」と思ってもらうためには、どうしたらいいかな、と考えている

――今の音羽さんは、若手の時に憧れていた”東京で働くお姉様”になったわけですが、それは意識していますか? 全国の若手の女性の中に、当時の自分みたいな子がいるかもとか。

それは思います。

――そういう印象というか、ブランドを体現したい?

はい。でも、そこまで考えていない子も多いだろうな。なんとなくスーツを着て、「こんな感じかな」っていう子も多いんだろうなと思います。それに関して、私がとやかく言う必要もないのですが、もし私が当時見ていた先輩たちのように、「あっ、7cmのヒールとスカートってやっぱりかっこいいね」って思って、自分と同じような子たちが出てきたら、ちょっとうれしいかもな。

――それは確かにうれしいかもね。「私もそう思っていたよ!」って。

「だよねー!」みたいな(笑)。自分に一番似合うスーツは何なのか、試してみたらいいですよね。パンツにヒールでも、パンツにペタンコでもいい。自分のスタイルにきちんと合っていれば。

――自分のスタイルね、確かに。キャラもそうだもんね。

そうそう。キャラクターも、それが合っているのかどうか考えられる子が増えたら、楽しいかもなあって思います。

――最近は、手を抜くわけではないけれども、ありのままでいい、カッコつけるということをしないという人たちも増えた気がします。男女関係なく、自分のこだわりを大切にする人と、そうでない人がいる。音羽さんは、かっこよさとかきれいさ、ハッと目を引く何かを大切にする価値観を持っていますね。

はい。営業だからすごく自分を見られていることもわかっているので、お客様先に持っていくノートやペンにはこだわっています。お客様は、こだわりのない人とは話をしたくないんじゃないかな、とか、自分が話をしたくなる人ってどんな人かな、とか考えますね。お客様が「若いのにやるね」、と思ってくれるとか、ちょっとでも安心してもらうためには、どうしたらいいかなと。

あとは、自分のキャラクターと、お客様先のキャラクターが合っているか、違和感がないかっていうのはすごく意識しています。もし、それがちぐはぐだったら、一緒にいる空間は大変ですよ。違和感を持ち続けたまま話をしなきゃいけないから、相手も私もつらい。

■4年間ホテルでバイトしたから、よく人を見るようになったのかもしれません

――場になじむ格好や、立ち居振る舞いは、どこで鍛えたのですか?

一番勉強になったのはホテルでアルバイトした4年間かもしれません。

高校3年生の春休みからアルバイトを始めていて、最初は何も教えてもらえないんですよ。ポンって宴会場に入れられて、見るよう指示される。宴会が1回終わると「はい、じゃあ次はあなたがやって」って2回目の宴会の前に言われる。「えっ?」っていう状態です。初日の1回目と2回目の間にすごく怒られました。「ボーっとつっ立ってるだけで給料もらってんじゃねえよ。教えてもらいたいなら、教えてくださいって自分から来い」って。

格式のあるホテルだったので、そのブランドに見合った対応をすることを最初に叩き込まれたのも大きかった。アルバイトだろうが社員だろうが、そこのホテルスタッフとして何か不足があるようでは困る、っていろんな人から言ってもらったことで鍛えられましたね。

――お叱り的なアドバイスをもらった。

負けず嫌いだから、なにくそと(笑)。最初は「そんなこと言われてない!」って思ったけれど、自分の時給は社員さんたちよりも高かったんですよ。それも社員の人から指摘されたんですが、「それなのに、お前のパフォーマンスは社員以下だよね。で、どうするの?」って。

――そうやって、常に自分を見ていることにつながったと。今の仕事であれば、マナー研修を売る営業として、この格好はどうなの? とか、言葉遣いはどうなの? とか、この立ち居振る舞いはどうなの? とか。

もちろん至らない部分もあるけれど、最低限のことを守らなければいけないと思っています。

――それが信頼と評価に影響しますからね。

マナー研修や新入社員研修を提案していながら、同行している新入社員のマナーがなっていなかったら、「この会社ダメじゃん」って思いますよね。

――お客様の目としてはそうですね。

そういったところにお金を払うとはどういうことなのか、バイトの時に教えてもらったと思います。じゃあ、自分には何ができるのか。ホテルに相応しいサービスをするためにも、「あ、あの人、グラス空きそう」とか、「きっとそろそろ違うものが欲しくなるだろうな」っていうタイミングで声をかけにいった。4年間ホテルでバイトしたから、よく人を見るようになったのかもしれません。

――確かにそれは営業に活きますもんね。例えば、会社の偉い人たちが「会食に連れて行ける若手は誰かいないか」って考えたときには、場の空気を読めて、出して恥ずかしくない人であることが前提にある。そこで選ばれるのかどうか、大きいですよね。

そこはたぶんあると思います。

――なるほど。今日はありがとうございました。営業ももちろんですけど、7cmヒールとスカートにこだわりを持つ後輩探しも、是非、頑張ってくださいね!

音羽紗依さんが勤務するのは・・・
株式会社インソース
株式会社インソース 新卒採用ページ
株式会社インソース 中途採用ページ