デザインで何かしら相手にインパクトを与えたい

デザインで何かしら
相手にインパクトを与えたい

河原美咲(仮名)KAHARA MISAKI

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今回は、WEBデザインを担当している河原さん(仮名、写真はイメージ)にインタビューに応えていただきました。インタビューで河原さんがお話しくださった「デザイナーとして成長するために必要なことは、沢山の広告を見て、自分の『引き出し』を増やすこと」という教えは、デザイナー以外の職業でも、そのまま当てはまるな、と勉強になりました。河原さんの考える「ビジネスパーソンとしての理想の姿」とはーー
インタビュー実施日:2017年5月10日(らしくインタビュアー渡辺)

■前職ではグラフィックデザインを担当していました。現職はWEBデザインを担当しています。

ーー簡単に今のお仕事を教えていただけますか?

会社のホームページを作って、会社がやっていることを外部の人にも分かりやすくつくる、という仕事をしています。一般的な職業名で言うと「WEBデザイナー」っていう肩書ですかね。今の会社に入ってから、7年くらい経過しました。うちの会社では、社歴は長い方だと思います。もともと前職では、紙のデザイン、グラフィックの仕事を4~5年くらいやっていたんですけど、「WEBの方が楽しそうだな、面白そうだな」って思って、職業訓練に通って、WEBの勉強をしたんです。そこで知り合ったHさんに声をかけてもらって、今の会社に入ったんです。

ーーHさんっていう方は、先に入社していたんですか?

そうです。それで、「この会社の社長が、WEBデザインできる人を探しているんだけど」って声をかけてもらって、入社しました。ちなみに、Hさんとは今も同じ部署で働いています。

■デザインの道を進もうと思ったのは高3の時。「大学に行って経済を学びたいわけじゃないな」と思った。

ーーもともと小さい頃から、デザイナーを目指していたんですか?

昔から、純粋に、絵を描いたりするのが好きだったんですけど、絵描きとか漫画家とかを目指そうとすると、だいぶハードルが高くなってくるので、自分が好きなこと、できることを仕事にできるって何だろうな、って思ったら「広告デザイン」っていうのがあったので、デザイン学科に進みました。

ーーその進路を決めたのは、中学生のころとかですか?

あの、私は割と遅いんですけど、高校3年生でした。普通に進路を決める時、もともとは経済学科を目指して大学受験しようと思ったんですけど、「大学に行って、経済を本当に勉強したいか」って考えた時に、「別に勉強したいわけではないな」って思ったんです(笑) じゃぁ、何だったら真剣に取り組むかなと考えて、デザインとか美術とかだったら自分は頑張れるなって思って。それで、デザイン学科を選んで、進学しました。

ーー先ほどさらっとおっしゃいましたが、昔は漫画家になりたいとかって思っていたんですか?

昔は漫画家とかイラストレーターとか、漠然と「なりたい」と思っていたと思うんですが、でも、なろうと思うと、ちゃんと作品も作っていかないといけない。でも自分は何も作れていなかったので、「自分には無理だろうな」っていうのは早めに思っていました。でも、絵を描いたり、表現したりするのは好きだったので、別の道を考えた時に、「じゃぁ、デザインかな」って感じでした。

ーーグラフィックデザインからWEBデザインに転じた理由は何かあるんですか?

もともとやっていた広告デザインは、不動産系というか、マンションの広告がメインだったんですね。そこでのデザインって、大体、決まっていたんです。物件の全体写真があって、詳細が書かれていて、とか。で、若干、つまんないな、って(笑)

一方、ネットを広げると、動画もあるし、ポップアップでデザインが動いたりもするので、紙に比べると色々な表現ができる、バラエティが豊富っていうのがいいなって思って、WEBを勉強してみようと思いました。

ーーそれで勉強して、今の会社に転職した、ということですね。実際に今の会社に入って、どうでしたか?

私が入った時、デザイナーがほとんどいなかったんです。だから、デザインを作ったら、周りの人が皆、褒めてくれたんですね。ただ単に、デザイナーがいなかっただけなんですけど、「こんなことできるの? すごいね」って認めてくれるのが大きくて、やりがいを感じました。

前の会社は、デザイナーしか周りにいなかったんですね。なので、一般の人の感覚で意見を言ってくれる人がいなかったんです。それが新鮮でした。実際に広告をご覧になる方に近い人の意見なので、それを社内で聞けるのはありがたいなって思いました。

ーー私もデザインは素人なので、形になさる方って、すごいなーって思います。今回、河原さんが作られたデザインも拝見したんですけど、何もないところに何かを生み出すって、すごいな、と。

それは嬉しいです(笑)

■プライベートでは、よく、笑いを取りに行こうと思って変なことを言っていました。インパクトを与えたくて。

ーー河原さんは、どんな存在として周囲に思われていると思いますか?

どうでしょうね・・・職場の皆さんは、多分、頼ってくださっているのかな・・・「話しやすい」とは、よく言われますかね。

プライベートでは、友達と接している時に、「不思議な人」「変な人」っていう感じがあったと思うんですよ。笑いを取りに行こうとする傾向があったんです、いじられキャラというか。以前は喋っていて、「相手を笑わせたいな」っていう気があったんですよ。だから、ちょっと変なこと言ってみたりとかしてて(笑) ハイテンションで友達と接していたというか。さすがに、今は大分、落ち着いてきましたけどね。

一方、会社では、「笑わせる場所じゃないよな」って思って、そういう面は出さなかったから、「ちゃんと接してくれる」って思われているのかな、と思います。ちょっと話を戻しますけど、依頼してくる人の意図とか、どうしたいのか、どう魅せたいのかの思いを引き出せないと、結果として、その人のイメージに合ったものがだせないと考えているんです。だから、「話しやすい」「打ち合わせしやすい人」って思ってもらえるように自分でも心がけるようにしています。

ーープライベートでの話を聞いて思ったのですが、デザインやる人って、人に何かを伝えたい、インパクトを与えたい、みたいに、「相手」を意識する傾向があるのかなって思うんですが、どうでしょう?

それはあるかもしれません。自分って普通の人だな、っていうのを自分がわかっているので、「何かしら相手にインパクトを与えたいな」って思っていたのかもしれないですね。別に女芸人的に面白くある必要はないし、目指してもないんですが、「話していると楽しい人だな」って思われたいな、っていうのはありましたね。だから、友達と接する中では、笑いを取りに行っていたのかもしれません。

■相手の期待に応えたいっていう風に、いつも思っています。期待以上を相手に提供したい。

ーーデザイナーって、ものすごい天才肌で「どうだ!」っていうデザインを出すタイプと、クライアントや依頼主の意向を的確に捉えて、きちんと仕事をするタイプと、2タイプいるのかな、って思うんですが、河原さんはどちら派ですか?

理想としては、天才な人になりたいですけど、そこまでの力はあると思っていないし、天才になっちゃうとプレッシャーがすごいと思うんですよ。次は何を出してくるんだろう? みたいなことを毎回思われても、それはちょっと(笑) なので、自分のやりやすいところって、コミュニケーションを取りながら、上手に仕事をしていく、っていうスタンスなのかな、って考えています。

ーー自分らしさ、って何だと思いますか?

うーん・・・なんでしょうね。先ほども話しましたが、社内では、自分が出したデザインに「すごいね」って言ってもらってきたと思うんですけど、そういう風に、相手の期待に応えたいっていう風には、いつも思っています。期待以上を相手に提供したいです。

大切にしていることとしては、「ミスをしない」ってことかな、と思いますね。デザイナーとして、前職で仕事を始めたころに、ミスをするとどうなっちゃうのかっていうのをしっかり教わってきたと思うんです。どれだけ影響が出るのか、とか、迷惑をかけるのか、とか。なので、とっても当たり前のことなんですが、この点は肝に銘じています。

■デザインは、職人の世界。よく叱られていました。

ーーデザイナーとして新人のころのこと、もう少し教えてください。

最初はとにかく先輩の真似を徹底していました。「どうしたら先輩がOKを出すか」を軸にデザインを作っていた気がします。だから、当時は「お客さま」のことなんてあまり考えていなかったと思いますね。その点、今は、ダイレクトに依頼者やお客さまの要望に向かって作れるので、そこは自由にやれているのかな、って思います。「相手のことを考える」っていうのは大切にしていることかもしれませんね。相手っていうのはクライアントとかお客さまとかですが、その「相手」を意識することは心がけています。

新人のころは、わけもわからず、先輩に「ここ直しておいて」とだけ言われるんですよ。それで、言われた通りに直したつもりが、何かしらイメージとずれていたらしくて、「次はちゃんとやれよ」って叱られる、みたいなことはよくありました。デザインって、職人の世界なんですよね。「これは、こうしちゃダメだよ」「こうしないといけないんだよ」っていうことは言われないんです。「見て盗んで学べ」みたいな感じです。うっかりミスも許されなくて、「新人だからって言い訳にならない。そんなことは最初からできて当たり前だろう」の世界だったので、よく叱られていました。

今となれば、そういう下積みみたいな時期と経験があるので、基礎はしっかりしているのかな、と思います。これも当たり前のことなんですけど、毎回、ちょっとしたことでも、「間違えないようにしよう」って思っています。

ーー今の会社で後輩を育てる時は、厳しく指導したりするんですか?

後輩を育てるっていう立場に立つこともありますが、叱責はしたくないです(笑) 私が受け持った後輩は、何か失敗しても、ちゃんと反省の色が見える人だったので、私も怒らなくて良くて、それはラッキーでした。

■デザイナーとして成長するために必要なことは、沢山の広告を見て、自分の「引き出し」を増やすこと。

ーー後輩指導の話にもつながると思うんですが、デザイナーとして成長するために必要なことって何だと思いますか?

なんでしょう。どれだけ沢山の広告を見ているか、ですかね。新人のころは、どれをチョイスして出せば、案件にあっているのかが分からなかったんですけど、色々な経験をしていくと、「この人のイメージしているものは、こんな感じかな、あんな感じかな」ってイメージできるようになっていきます。「あの企業の広告のイメージが近いのかな」とか、「こんなデザインを求めているのかな」とか。そうやって提案できるだけの「引き出し」を自分の中にどんどん作っていくことが大事かな、って思います。そのためにも、沢山、デザインや広告を見ておくことって必要だと思います。

ーー河原さんの思う「いいデザイン」とは何ですか?

広告は、見てもらうことが一番大事で、次に言いたいことが伝わることが大事だと思っています。だから、「わかりやすい」っていうことがとても重要ですね。プラスで、「インパクト」を与えられること、ですかね。見てもらう必要があるので。

それを自分が作れるようになるためには、先ほどの話の「引き出し」を増やすっていうことだと思うんですけど、昔はよく、美術系の本が置いてある本屋さんに通っていました。六本木とかにあったんですけど。そこに通って、世界の広告が紹介されている本をバーッとページをめくって見て、「これいいな」っていうのを自分の中に貯めてました。そういう本って、すごく高いんですよ。だから、買わないんですけど(笑)

最近はインターネットが発達してて、そういう情報を集めてくれるサイトやページがあるんですね。だから、本屋さんにわざわざ行かなくて済んで良いんです。そういうサイトを見て、「新しい表現が出てきたんだな」って勉強しています。

■「自分が思っている以上のものを作ってくれるのは誰か」となった時に、「あいつだ」と自分に指名が来たら嬉しい。

ーー最後に、最近、これは色々な方に質問しているんですけど、河原さんに「コンプレックス」ってありますか?

なんでしょう・・・「普通」っていうのは、コンプレックスですかね。自分が「普通」だから、何かしらインパクトを与えたい。「普通」だと、誰も引っかからないと思うんです。誰も振り返らない、というか。じゃぁ、どうしたら引っかかるのか、どうしたら振り返ってもらえるのか、を考えると、「自分に色を付けていくこと」が大事かな、って思っていました。もしかしたら、「自分は普通だ」っていう小さなコンプレックスの延長線上でデザイン職を選んだのかもしれないですね。例えば、事務職なんかに比べると、「自分らしさ」とか「個性」とかっていうものが求められるし、活かせると思うので、いいんじゃないかな、と。

ーーありがとうございます。そういえば、先ほど、「入社当時に比べて、今は会社にデザイナーも増えてきて」というお話がありましたが、今後はどんなデザイナーとして仕事をしていきたいですか?

これはうぬぼれかもしれないですけど、今の会社の社長が「自分が思っている以上のものを作ってくれる人は誰か」って思った時、「河原に頼んでみよう」「あいつなら、期待以上のものを持ってきてくれるだろう」って指名してもらえると嬉しいなって思います。そのためには、色々サーチしてみること、色々な表現のものを見て、普通の人がすぐに見つけられないものを引っ張ってこれることが大事かな、と。

人が思っていることを、トライ&エラーして表現することがデザイナーの仕事でもあると思うんです。そういう意味も含めて、今後も、色々な表現の仕方を試していく、っていうことが自分には大事かなって考えています。

ーーそうですか。今日はお忙しい中、どうもありがとうございました。

河原美咲さんが勤務するのは・・・
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